黒松 美恵子

 先月に引き続き、社員研修旅行について紹介いたします。
 2日目は、ゆっくりスタートで、前日同様、水戸岡鋭治氏デザインの観光列車『丹後あかまつ号』に乗車しました。ちなみに、私の名前の黒松と同じ、『丹後くろまつ号』と『丹後あおまつ号』も有ります。いずれも、天橋立の白砂青松を象徴する「松」がテーマの観光列車です。丹後あかまつ号は日本三景 天橋立と西舞鶴間を結びます。沿線一絶景の奈具海岸や由良川橋梁を運行し、贅沢な海の絶景を楽しめます。車内は、木目調でインテリアも素晴らしく、様々な座席デザインが有りゆったりと過ごす事が出来ました。


 午後は、『舞鶴海軍ゆかりの港めぐり遊覧船』に乗船しました。舞鶴は明治時代に鎮守府が開庁し、軍港を中心として発展してきた町で、現在も海上自衛隊の日本五大基地の一つである舞鶴基地を有し、日本海を幅広くカバーする海上自衛隊の最重要拠点とされています。
 
 北吸(きたすい)赤れんが桟橋を出航し、舞鶴湾に臨む海上自衛隊舞鶴航空基地など、海軍ゆかりのスポットを海上からめぐる観光遊覧船で、心地よい潮風を感じながら、眼前に迫る護衛艦や造船所といった、歴史ある舞鶴港ならではの迫力ある景観を満喫できます。海上から、巨大な艦艇になかなか見ることのできない角度で迫っていく様はまさに大迫力の一言です!また、元自衛官の船長のナレーションは知識豊富でとても楽しかったです。
 
 舞鶴港では、イージス艦をはじめとする護衛艦、補給艦、輸送艦、ミサイル艇、掃海艇などが所属しており、在籍のイージス艦は「みょうこう」「あたご」の2隻です。「みょうこう」では真田広之氏主演映画『亡国のイージス』の撮影があり、「あたご」は『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』のモデルとなったそうです。
 
 イージス艦とは、イージスシステム(遠距離より多数同時に飛来する航空機や対艦ミサイルから艦隊を守る防空戦闘用の艦載武器システム)を搭載した艦艇の総称です。フェーズドアレイレーダーと高度な情報処理・射撃指揮システムにより、200を超える目標を追尾し、その中の12個以上の空中目標を同時攻撃する能力を持っています。そして複数の目標への同時攻撃を可能にしたもう1つの装置はミサイル垂直発射システム(VLS)です。セルというケースに収納したミサイルを複数垂直に収納し、そのままミサイルの発射ができるので、連続発射が可能となりました。そして、イージス艦で戦闘の指揮・管制を一括して行うのはCIC(戦闘指揮所)で、センサーシステムからの目標データ、味方の艦艇や空中哨戒機からの戦術データなどを集中(情報は空中のミサイルや航空機、水上艦艇や水面下の潜水艦にまで及ぶ)してコンピュータにより処理、艦隊全体の戦闘に必要な戦術情報を分配提供し、戦闘の指揮・管制を行い艦隊の中核として、艦隊全体の戦闘力を高めることができる艦だそうです。
 
 このようなシステムを搭載し、我が国の防衛の最先端を担うイージス艦の価格はなんと1,400億円です。他の護衛艦の10倍の価格だそうです。
 先日、防衛費増額のための増税に関する報道がありましたが、今の世界情勢を鑑みると必要なのかもしれませんが、必要とならない平和な世の中が訪れる事を願うばかりですね。