今月は財団法人奈良市駐車場公社の池田宗治常務理事にお話しをお伺いしました。

こちらの駐車場は公益法人の一種である財団法人という形態で運営されています。公益法人というと収益は二の次という印象をお持ちの方も多いかと思いますが、民間出身の池田氏は平成17年の就任以来、駐車場公社の改革に邁進して来られました。

民間との感覚の違い等、就任当初は随分戸惑われたそうですが、「民間レベルの目で見る」「無駄な物はやめる」という信念を貫き、経費の削減に取り組まれました。

それまで帳票類は全て手書きでしたが、情報処理企業出身の池田氏はパソコンを導入し、TKCのデータベースも利用して頂くことで大幅に経費を削減できました。他にも機械式立体駐車場の平面化に尽力するなど、様々な業務に関しても効率化を図りました。そのような業務改善努力を重ねることで当初5名いた人員は2名で済むようになり、人件費を大幅に削減できました。こうして利益のでる駐車場に変わっていったのです。

  
就任当初、奈良市の観光客は微増しているにも関わらず、売上は年々減少している状態でした。これは駐車場自体にも問題があると考えた池田氏は、経費の削減にあわせて「利用しやすい駐車場」を目指しました。

まずは車と車の間のラインにご注目下さい。一本でなくU字になっています。一本ラインだと駐車する際に斜めになったり片方に寄ったりしてしまい、乗り降りしにくいということがありますが、U字にすることで停め易くなり、更に隣の車との距離が最低50センチ確保できます。ラインを引く経費は一本と比べて二倍かかってしまいますが、そこはケチらず使いやすさ優先で決定されたそうです。

7時〜22時だった営業時間も24時間年中無休に変更したことによって利用者が1割増え、また多数の防犯カメラをつけたので車上荒らしが心配な方にも好評だそうです。

従来1時間300円、以後30分ずつ加算されていた料金は20分100円に変更し、短時間のお客様も利用し易くなりました。

また、1日あたりの上限額も日付単位での1日ではなく、24時間単位で計算する為、夜間も駐車する方にはとてもお得な料金設定になっています。ここは五重塔で有名な興福寺、奈良公園、猿沢池、ならまち界隈など人気の観光地が徒歩圏内に沢山あるのですが、近くの旅館などに宿泊されているお客様にも大変好評です。

機械式立体駐車場から自走式平面駐車場に変えることで収容台数は374台から132台と減ってしまいました。しかし、とことん利用者の立場に立って考えた新しい駐車場はリピーターも増えて稼働率が上がり、以前より利用台数も増えて売上も改善しました。

その他にもデッドスペースにオートバイの駐輪場を設けたり、レンタサイクルを運営されたり、様々な工夫をされていますが、まだまだ改善の余地があると考えていらっしゃるそうです。

「経営者」として努力を続けていらっしゃる池田氏の姿は、私にとって公益法人の印象を変えるものでした。お忙しい中、取材をお受け頂き、ありがとうございました。

皆さまも遷都1300年祭に沸く奈良に遊びにいらっしゃいませんか?池田氏が大好きな五重塔や、可愛い鹿がいる奈良公園、ならまち界隈はこちらの駐車場から歩いてすぐです。

(担当:花谷/取材:鈴木)


奈良市駐車場公社 様 
奈良市高畑町1112-1 
0742-23-8887

 猿沢池  100メートル
 興福寺  200メートル
 ならまち 200メートル