今月は堺市西区で自動車鈑金塗装業を営まれている株式会社萬崎自動車さんをご紹介致します。

先代社長、柴伐勝司さんのご実家は九州で農業をされていましたが、一念発起し妻の久美子さんと大阪に出て来られました。大阪市内で塗装業を営む御親戚の元で十数年修行した後、昭和50年5月、堺市西区萬崎地区で友人の鈑金屋さんと一緒に塗装業を始められたのが、萬崎自動車さんの始まりです。

現在は塗装業だけでなく、鈑金や中古車販売など多方面のお仕事をされており、工場には無数の塗料やそれらを調合する為の専用器具、塗装乾燥ブースなど数々の塗装具をはじめ、大型の自動車整備用品が並んでいました。そんな中、数人の職人さんと一緒に先代社長も得意の塗装作業をしていらっしゃいました。

  
創業当時のお話を久美子さんにお伺いすると「私は子ども相手のたこ焼き屋とかをやりたかってんけど。」と笑っていらっしゃいましたが、当時まだ幼かった信次さんたちを預けて教習所に通い、運転免許を取得。社長が職人としての仕事に専念できるよう、経理だけでなく納車なども担当され、まさに二人三脚で歩んで来られました。それから36年、今年の8月に息子信次さんが後継者として法人成りをされました。

小さい頃からご両親の働く姿を間近で見てきた信次さんですが、次男であるご自身が後継ぎになるとは全く考えていなかったそうです。しかし高校卒業時には自然とご両親と同じ道を選ばれました。最初の1-2年は近くの自動車整備会社に勤務して修行を積み、忙しくなった家業を手伝う為、ご実家でご両親と一緒に働かれるようになって20年が過ぎようとしています。

「いい加減な仕事をしたらあかん」と、仕事の傍ら休日には学校へ通い自動車整備士をはじめ様々な資格を取得するなど、まじめにコツコツ努力してこられ、その甲斐あって昨年は損害保険代理店の指定工場の認定も取得されました。

しかしこの20年、良い時期ばかりではありませんでした。10年ほど前、現状では後が無いと考えた信次さんは1枚のDMを便りに東京まで出張。当時は回線設備も充分でなく、1枚の画像を送受信するのに数十分かかるような時代でしたが、インターネットを通じた車の取引ルートをいち早く開拓され、先細りになりつつあった会社の立て直しに大きく貢献されました。

ネットオークションなどインターネット経由の仕事は今も同社の主力になっていますが、インターネットが当たり前になってきた今、更なる戦略を練らなければなりません。お父様が築かれた基礎を元に、何かもっとやり方があるのではないかと常に仕事の可能性を探ってこられた信次さんは、二代目として法人化された今、若い人を育て、「信用を大切に」をモットーに会社をより発展させていきたいと意気込みを聞かせて下さいました。

お忙しい中、取材にご協力頂きありがとうございました。萬崎自動車様の更なるご発展をお祈り申し上げております。

(担当:高木 取材・文:鈴木)


株式会社萬崎自動車 様
堺市西区菱木2-2228-8
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