代表社員 福田重実

今年は8月8日が立秋でした。8月になってから連日35度を超え、猛暑日が続いています。空を見上げても雲一つない晴れの空で入道雲も無く、よくある夕立も殆ど無く、冷房なしでは日常生活に支障が出るようですね。
 
この時期、稲の穂が茎の中で育ち始める時期で、私も自分の水田で7月末からお盆の休日に農作業に精を出しました。この時期の農作業は暑さとの戦いで、朝5時に起床し気温が上がる9時までの4時間と夕方5時頃から日没7時過ぎまでが作業時間です。

例年、土用の入りの日(今年は7月20日)から2週間程度水田に水を入れないいわゆる土用干し(中干し)をします。土用干しとは、水田の柔らかい泥を乾かし土を固くしてひび割れをさせる事により、土壌の中のガスが抜け、嫌気性の雑菌の繁殖を抑える効果があるそうです。また、稲が水を求めてしっかりと根を張るため、倒れにくい稲に育てるためでもあります。それが終わると稲肥をします。これは良い稲穂を育てるためで、20sの肥料を背負って、水田1,000u(10アール)あたり60sを撒きます。暑い時期、足元が悪い条件でする作業で、約22アールの水田に120sの肥料を4時間かけて撒きます。

それが終わると土手の草刈りです。この時期の雑草の成長は早く、1週間で数センチ伸び、1ヶ月もすると40cm程度になりますので大変です。次に稲の害虫駆除の為、殺虫剤を散布します。これを怠ると害虫が稲を食べたりして、それが原因で稲が枯れたりしてしまいます。10アールあたり3s程度で、まだ稲穂が出来ていない時期ですので安全だと思います。 

8月末頃には一斉に穂が出始め、そして花が咲き受粉します。稲の花の色は白い色をしています。咲いている時期は短いのでなかなか見る機会は少ないと思います。そしてその稲の中身が充実していきます。中身は白い液体で、それが充実すると固くなり米になります。それから、10月上旬まで徐々に色づき初めて、稲穂が頭を下げて行きます。

そして、10月上旬には稲刈りをして、乾燥させ、臼引きをして米になります。約7sの籾種が半年かけて約1,200sの米になります。その間の手間を考えると、大切に美味しく食べたいと思います。 
一番の心配は、出穂以降に台風の強い風で稲が倒れたりすることです。そのために倒れにくい土壌と強い稲穂を育てているのです。特に実った時期の稲穂が倒れやすくなるので、その時期に台風が来るのが一番心配です。

米作りは手間暇をかけますが、最後は天気等の気候に左右されてしまいます。会社の経営も手間暇をかけて経営しますが、景気という外的要因に左右される点では同じような気がします。

   稲の花