大寒に入りましたが例年に比べ都祁の里には雪が少なく、温暖化が進んでいることを実感しますが、皆様にはお元気でお過ごしのこと思います。

 21年2月号ニュース“国際会計基準の時価主義について”と題して述べましたが、10年前に会計ビックバン(米国アンダーセン・エンロン等の巨額粉飾決算事件を契機とした一連の会計基準の変更・日本会計制度を国際会計基準に近づけるための会計改革)が我が国に波及しました。その後、日本版SOX法(J―SOX)に続いて、再び会計ビックバンが企業と会計部門に対し、国際会計基準に基づく国際化への対応を求める大津波が襲いかかって来ています。
 国際会計基準(IFRSs)とは、証券監督者国際機構(IOSCO・日本金融庁加盟)が、国際会計基準委員会(IASC・後にIASBと改組)の作成する国際会計基準(IAS)を国際的に同一会計基準で使用すれば、国際比較が出来る点に注目し、IASを支持、2000年にEU域内の上場企業に連結財務諸表を作成する際にIASを義務付けたものです。
1月に中国人・大学講師による“ISA/IFRSを巡る中国の動向”という講話を聞きましたが、中国会計制度の歴史的段階は欧米式―旧ソ連式―国際会計基準へと進んでいます。グローバル経済の発展段階に対応して中国の主張する会計はIFRSへの共通化・収斂進化が進み、手本的アダプション(採用)へと進んでいます。手本的とは、自らの意志を損なわず手本をよく学び、妥当な部分を取込み不都合な部分は取込まない、あるいは修正する、という方式です。

 講話ではその他にも
@中国では常に現場を確認してビジネスをすべきである。
A日本のように企業継続を理想とせず、長期存続する企業は少なく継続性がない。
Bその場限りの短期的ビジネス感覚が強い。
C中国では土地は私的所有権ではなく使用権である。
D計画はすぐ変わる。
と言う話があり、印象に残りました。

 当事務所でも、中国を代表する大学と日本の大学院を卒業した中国の若き経営者より日本設立会社の決算の依頼を受けており、ビジネス感覚の違いを強く感じることがあります。
今後IASBが新規に制定する基準は“国際財務報告基準(IFRS)”、IAS・IFRSとそれらの解釈指針を総称して“IFRSs”と呼ばれ、今後各国の事情を踏まえて、共通化・収斂されながら採用されて行くことになります。例えば「貸借対照表」は「財政状態計算書」、「損益計算書」は「包括利益計算書」と名称も変更されました。経済のグローバル化が益々求められる時代、大会社の子会社・下請会社の中小企業にも急速に影響を及ぼして来ることでしょう。