東日本大震災は個人の「寄付金税制」に対し、関心が強まっていますが税法は「一読難解、二読誤解、三読して混迷」ですから、今月はふるさと納税の内容を紹介します。

 “ふるさと納税”は「ふるさと」へ貢献・応援したいとの思いから、郵便局・銀行等から故郷の市区町村へ「寄付」をし、居住地の税務署又は市区町村へ、確定申告書の所定場所に寄付金額を記入し、振込等の証拠書類を添付することで、翌年に個人住民税・所得税が軽減されるという制度です。また、市区町村の一部では、特産品のお米・野菜・魚介類等のお返しがあります。

 平成20年度の地方税改正により、個人住民税の寄付金控除制度(地方税法37条の2・道府県、314条の7・市町村)がこれまでの「課税所得控除方式」から、寄付金額の5千円を超える部分(所得の一定額の制限あり)について、直接税額を控除する「税額控除方式」に改正されたことにより、軽減税額の効果が相当増大しました。

また、“ふるさと納税制度”の内容とは、

@寄付に対して税額控除を受ける対象者は、個人住民税を納税した人のみである。

A控除対象となる地方公共団体の範囲は、全ての都道府県・市区町村であり、寄付先は

現住所・出身地に関係なく自由に選択が出来る。

B控除方式は、寄付した翌年度分の個人住民税から「税額控除方式」で控除を受ける。

C控除対象となる寄付金は、個人住民税では、寄付金から5千円を差引いた金額(但し、

個人住民税の所得割の1割以内に限定される)。

D個人住民税の税額控除の計算方法について、

  基本控除額として(都道府県・市区町村への寄付金−5千円)×10%

  特別控除額として(都道府県・市区町村への寄付金−5千円)×[90−(0〜40)%]

  寄付金控除の対象となる寄付金額は、他の地方公共団体への寄付金と合算されて、

総所得金額の30%が限度となるので注意が必要です。

 例えば、課税所得1億円の人が、震災義捐金として1千万円を支援すれば、支出方法により、相当な金額に差が生じます。

計算過程は割愛しますが、寄付金控除の対象となる特定寄付金指定先の国・地方公共団体等へ寄付した場合、寄附金控除をしない場合3,720万4千円、寄付金控除を適用すれば、3,320万8千円となる。つまり、1千万円の寄付金の内約400万円は税金が肩代わりする。

これが“ふるさと納税制度”を利用すると、何と、寄付金1千万円が約999万6千円の税金が還付され、実質4千円の負担で、1千万円の寄付をしたことになります。

また、サラリーマン夫婦子供2人の給与収入700万円場合、多少、個人の課税所得差があっても、4万円の寄付をすれば、約3万円強の住民税が安くなります。


税理士法人マークス
代表社員 植村 祐三