本年はトカラ列島において中国漁船による我が国巡視船に対する衝突事故があり、我が国、存亡の危機が迫っているように思われる現状があります。
23年5月号ニュースに於いてご紹介しましたが、“知覧”に注目したのは、“知覧観光大使”山近義幸氏のご縁によるもので、また、税理士法人マークス設立初年度のため、慰安旅行の候補地を新幹線が開通した九州方面と決定し、先ず社員全員が“知覧”を訪れ、私は一足遅れて10月8日に妻共々“知覧”へ1泊2日で行って参りました。

到着日には簡単な説明・紹介があり、翌日、特攻の母・鳥濱トメさんの宿・富屋旅館の現在の女将・鳥濱初代(トメさんの孫のお嫁)さんの語り部としての、使命感を帯びた切々とした真にこもった、お話を聞かせて頂きました。
鳥濱トメさんの言葉に「思いやりとは良い言葉ではあるのですが、上からの目線での言葉になっているのです。思い合うことこそが、お互いの事を思うことになるんだよね」と、“思いやりより”“思い合い”の気持ちを持つことの大切さを語っておられますが、“思いやり”は双方が共に同じような思いを持つことが大切だ、ということを理解しました。
また、旅館の使い捨ての割りばしを黄色いビニールテープで巻いて作り、その杖をつきながら、近隣の商店街を商店主が年度末に一括支払う税金に困らないように、その一部を日々の売上からトメさんが集めておいて、トメさんが一括納税したようです。
鳥濱トメさんには“なぜ生き残ったのか 考えなさい 何かあなたにしなければならないことがあって 生かされたのだから”という詩があります。
“知覧”へ行かれた方の感想文に「70年前の若者に恥じない人生を送るために・・・本当に多くの勇気と感謝を“知覧”から頂いた・・・これからも何度も行きたい・・・人生病んだ時・・つまずいた時、感謝心を忘れおごるような事がある時、“知覧”へ戻りたい、今、生かされていることの有難さと、命の尊さを感じるために」という一文も同感です。
正に、鳥濱トメさんは、マザーテレサを思い起こさせる、日本の代表的な“お母さん”の一人であるとの思いを抱きました。そして、「歴史を教えない国は滅ぶ」と云う認識のもとに、社員教育の場としておられる経営者もいます。
また、“特攻平和会館”に出向しましたが、余りにも膨大な、若者の純粋な思いを綴った遺書に接し、私は当時8才でしたが、20歳前後の若者の精神状態を感じ・思い、運命の悪戯を思い起こしました。

半日程度では一見もできない資料も多くあり、若者の親・国を思う切々たる思いを感じ取り、ささやかでも、後世に引き継ぐ役割を果たすためにも、改めて、再び出向せねばとの思いを抱きながら会館を後にし、夕刻、近くにある指宿温泉の砂風呂に入り帰阪しました。

以上
代表社員 税理士 植村祐三