代表社員 税理士 植村祐三


 新春の気配を感じさせるこの頃ですが、ご縁のある皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
 アベノミクスの影響で景気上昇機運が感じられますが「自然は常に変化し、生成し、バランスを取りながら、安定を繰り返す。」人生100年時代を迎え、私も喜寿を迎え、正月に息子達がささやかな祝宴を開いてくれました。
健康状態も肩こり程度で、心は10代、肉体・精神に多少のがたが来ましたが、80歳迄は現役で活動したい思いです。そして、老子の教えを支えに、老子的生き方を理解し、余生は自然体で生活したいものです。

 老子について、芥川賞作家・新井満氏の"老子"と云う自由訳を参考・要約すれば、老子は約2千5百年昔の中国春秋戦国時代に生きたとされる伝説的な哲学者であり、全81章5千数百字からなる「老子」全二巻(道教と徳経)を残し、真に自由で幸福な人生観を述べ、後世へ教えてくれる。
 老子の教えの中心概念は"道"だと思いますが老子に頻出する道について、新井満氏の理解を以下のように述べられる。

 この宇宙を、とうとうとくまなく流れつづけている、いのちの巨大な運動体、宇宙大河、それが道(Dao)の実相である。この道から大自然が生まれ、万物、即ち人間と人間以外の全ての存在は、道から生まれたのである。宇宙大河は霊妙なるいのちのエネルギーに満ち溢れ、過去・現在・未来へと循環している。また、道とはあなたを生んでくれた"母"のような存在である。
 この宇宙大河・道は天と地(大自然)と万物(人間・動植物・月・地球等のあらゆるもの)と繋がっている。自分もこの道と無縁ではない。人間は永遠に未完成だから、この絆を大切にし、あなた以外のすべての命に感謝しなさい。
 あなたが生きる気力が弱くなりかけたら、道を思い出し、生きるエネルギーを頂きなさい。
 もし、判断や道に迷ったら、道に尋ねなさい。きっと、教えてくれるでしょう。如何に生きるべきか、の方向を教えてくれるでしょう。
 決して道の絆を断ち切ってはいけない。もし断ち切れば、たちまちあなたは大怪我をするだろう。どんなときにも道のことを思い、道に目覚め、道と繋がって行きなさい。命の灯を輝かせながら道の人としていきなさい。ゆったりとおおらかにね。
 私たちが住む地球、いや宇宙とは無数の命の一滴が成り立っており、その一滴が欠けたとしても、この宇宙は成り立たない。この道と繋がって生きるということは命の摂理に従って生きること、理にかなった、最も自然な生き方をすることである。

 新井満氏の老子の自由訳の内容の一端ですが、また、還暦までは孔子の対話集である"論語"の実学部分を頼りに、参考にしながら生活をすることもよいだろうが、還暦を過ぎれば、老子的生活を参考にすべきであり、もっと若いうちから老子的生き方、ゆったりとおおらかに生きるためのヒント、人類史上、最高最大の知性が説く究極の人生論を参考・選択する方が真の幸福に近づけるのではなかろうかとも言われます。
 我々の生活環境が不自然になればなるほど、大自然を見つめ、宇宙の摂理を理解して、老子的生活態度を参考にしたいものです。