代表社員 植村祐三

 最近のニュースによる大塚家具の御家騒動、新聞に見られるような個人・法人の事業承継・M&A等は大変ドラマチックで密教的であり、身につまされる事情を報じている。
日経新聞の平成27年4月30日付“私の歴書・似鳥昭雄”において、端的・正直にストレートに現実を述べておられ、事業承継問題について、大いに参考になりました。

似鳥氏の「・・母親・兄弟から遺産相続の件で訴えられ・・父・義雄が亡くなり、遺産分割協議書を作成。今では数百億円の株式を長男の創業者である私が引き継ぐことになった。
母からは「協議はしていない。書類の印鑑も勝手に昭雄が押した」と・・裁判を起こした。
裁判は本当に憂鬱だった。写真週刊誌には突撃取材を受け2週間にわたり6ページの特集が組まれた。

・・裁判の打合せ中、弁護士から質問されると、ストレスで血圧が250まで上がってしまった。・・降圧剤の注射を打つ始末・・法定では90歳を超えた母は「昭雄、私の顔と目を見られないのか」と激高する。
・・地裁では私が勝訴し、二審では母らは要求をすべて放棄する形で12年に和解となった。・・私は実家には入れてもらえないし、父の位牌に手を合わすことも出来ない。似鳥家は分裂してしまった・・」
と言われ、・・「連載中、反響の大きさに正直驚いた。一方、品のない過去の行為に批判のあったことも承知している。」・・と述べられている。 
似鳥氏のようではないにしても、家族相続・小規模な事業承継・M&A等においても、中小企業に係る人々は、白鳥のように表面は華やかな部分があっても、水面下では必死に水を獲掻いているのが現実の姿でしょう。多かれ少なかれ、ドラマチックな内容がある。
私も78歳、心は10代ですが、肉体の衰えは何とも致し方なく、ハッピーリタイアに向け、体調を整える為、8月のお盆を挟んで10日間程、ヨガ道場で断食をすることにしております。

男性平均寿命80歳、100歳迄生きると想定できる時代、ライフワークとして、4月号“複雑な相続対策”で述べましたように、ご縁のある方々にお役に立てる存在として、親族が争族にならない為にエンディングノート・家族財産簿の作成のお手伝いをする所存です。

私が常日頃、思い出す言葉に次のような事柄があります。
➀宗教でよく述べられる、何事も入れるより、出す方が先である。これが自然法則なのでしょう。

Aダスキンの経営理念・鈴木精一が言うように、我、損と得とあらば、損の道を行く。

B二宮尊徳は日記に、わが人生、薄氷の上を歩いて来たと云う。奥さんは耐えられずに離婚をして去って行った。

C儒学者・佐藤一斉は人生とは暗夜に一灯をさげて暗夜を行く。暗夜を憂うなかれ、一灯を頼め、という。

D西郷隆盛は島津久光の逆鱗に触れ、一族郎党を含め、財産は全て没収され、死刑に次ぐ重罪である、島流しに遭いながら、非運を嘆かず、八百冊の本を持参し、徹底した自己研鑽に励む最高の修行の場とした。

E78歳の作だとされる詩、サムエル・ウルマンの“青春”とは、青少年の時代を言うのではなく、心の在り方を言う。人間は年を重ねた時、老いるのではない。理想をなくした時、老いるのである。
  
ご縁のある皆様には、御身を大切に、益々のご活躍を陰ながらお祈りしております。