代表社員 福田 重実

 新型コロナウイルス感染症の収束がなかなか難しく、緊急事態宣言が延長により飲食業では休業要請されるなど厳しい状況が続いています。半数以上のクライアントが感染拡大した昨年の春以降影響を受け、コロナ融資・持続化給付金・家賃給付金・雇用調整助成金等の利用をされました。この1年を通して、前期より売上が減少したクライアントが大半でした。

この影響は飲食業をはじめ不動産賃貸業・酒類や食料品等の卸売り・医療関係・卸売業・旅行業等様々な業種に影響がありました。反対にコロナウイルス感染症により需要が拡大した業種もありました。特に今、我々が日々使用しているマスクは一時店頭から消えるほど需要が拡大しました。日本だけでも1日一人一枚以上を使用しているのですから、1億枚以上が消費されています。また手の消毒剤も家庭をはじめ様々な場所に設置されています。このように、コロナウイルス感染症拡大防止のための様々な商品の需要が拡大しています。おそらく、コロナウイルス感染症が収束するまでは当分続くと思いますが、皆が3密を避け、マスク手洗いを慣行することで、今冬はインフルエンザや風邪の感染者は激減したと思います。また感染しないように不要不急の外出自粛により、医療においても患者数が減少しています。
 コロナウイルス感染症の対応として企業ではテレワークを導入するための環境整備のため、PCをはじめ周辺機器への投資が増えました。当事務所でもテレワークに対応するため、PCの入替やモバイルカードの整備、事務所システムのクラウド化等を実行しました。確定申告の時期は残業して夜食を出していたのですが、今回は停止しテレワークを推進しています。
 
 また、忘年会や新年会・懇親会・冠婚葬祭の会食の機会もほぼ無くなりました。その影響か、夜の遅い電車に乗ると空席が目立ちます。会食が減少することは食材の消費が減少することになり、農業、漁業、輸入業が相当なダメージを受けています。WEB会議などが普及したため出張する時間が節約になりましたが、懇親会等を通じての新たな方との出会いは少なくなったと思います。またWEB会議は、PCの画面を見続けることになりますので結構疲れます。
 テレワークすると、自宅での仕事時間が増加し、個々の電気使用量が増えます。また事業所では換気をするので、暖房の設定温度を高めにする必要があるため電力の消費が増加し、電力がひっ迫しているそうで、日によっては100%近くになり電力を融通しあってしのいでいるとのことです。万が一不足していますと、広域で停電となり(ブラックアウト)仕事や家庭での活動が停止しています。電力不足は、電気代の値上がりにもつながってしまいます。電力会社が各家庭に供給する電気は、主に2つの方法で調達されています。一つは、各電力会社やそのグループ企業が自前で運用する発電施設で発電された電気を調達する場合。もう一つは、電気の市場、日本卸電力取引所(JEPX)から電気を購入し調達する場合です。


 日本卸電力取引所(JEPX)で売り買いされている電気は、いわゆる大手電力会社発電所も利用している発電所の電気が含まれています。日本国内の主要な電気が市場を通じて売り買いされています。
電力自由化以降、電気の小売事業に参入した新電力には、自前の発電所を持たない電力会社があります。その場合は、日本卸電力取引所(JEPX)から購入して調達した電気を、各家庭に供給しています。また、自前の発電施設を保有している新電力でも、自前の発電所が運用できなくなった場合など不測の事態想定して、常に安定的に電気を供給できるように毎日一定量の電力を日本卸電力取引所(JEPX)から購入しています。

 そのため、実際に各家庭が支払う電気料金は日本卸電力取引所(JEPX)で取引されている電気の価格に影響を受ける可能性があるのです。そして、日本卸電力取引所(JEPX)で取引される電気の価格は為替相場のように常に変化しています。そして2021年1月現在、日本卸電力取引所(JEPX)における電気の価格が高騰しています。1kWhあたりの電気の価格が、昨年の平均価格の10倍程度にまで上昇しています(*2021年1月12日時点)。

 このように電力会社によって、日本卸電力取引所(JEPX)の価格が実際の電気料金に影響するようです。いずれにせよ市場連動型の電気料金の場合は、価格の高騰が即日もしくはその翌月に影響する可能性があります。その際、その前の月の電気代よりも、10倍程度もしくはそれ以上の電気代が増える可能性がありますので、新電力に契約を切り替えた方は電力会社から送付されてくる書類には気を付けて場合によっては契約を切り替える必要があると思います。
 コロナウイルス感染症の影響は全世界で起こっています。国内で製造されている製品の殆どが海外からの部品を使用しています。一つの部品が不足すると製品の供給が止まってしまいます。これは昨年の春、住宅設備の部品が輸入できず建物の完工ができなかったことを思い出します。現在も海外のロックダウンされている国では、港での荷揚げする人材が不足しコンテナの積荷・荷揚作業が停滞しコンテナ不足になっているそうです。その影響でPCや自動車の部品が不足し、生産が減少してそうです。このことは我々の企業活動にも少なからず影響を受ける可能性があります。特に部品等の一部でも輸入品を利用している場合、今まで以上に情報を得て、手元に届くまでの日数の確認や確認できない場合は国内製品への切り替え在庫の積増しを検討する必要があると思います。また、そのために増加運転資金の準備も必要になるかもしれません。
 まだまだコロナウイルス感染症の収束が見えない中、ワクチン接種が実行されるまで感染防止にご留意ください。