今月は堺市南区の株式会社関西テクノカンパニー様をご紹介させて頂きます。

川辺 允志様です。現在、関西テクノカンパニーさんのお仕事をしていらっしゃるのは允志様ですが、実は社長さんではありません。
まもなく19期目の決算を迎える関西テクノカンパニーさんは、当初、充志様の奥様である宣子様が、ご友人の会社をお手伝いされる目的で設立されました。10年弱は社長である宣子様がそのお仕事をされていましたが、充志様が70歳になり企業での勤務に一区切りがついたのを機に、豊富な経験を活かし、「衛生・化学・腐食防食・環境工学に関する技術調査・コンサルタント」業務をされるようになりました。







国民学校6年生で終戦を迎えた允志様は、高校では化学クラブに所属し、現役で大阪大学の工学部に進学。化学工学や電気化学を学んで関西電力に入社し、長年、火力発電所の化学管理に携わられました。それらの実績を買われ、55歳の定年を前に栗田工業鰍ヨ、60歳からは栗田エンジニアリング鰍ノ移籍。更に2000年、66歳の時に今迄の成果をまとめ上げて工学博士号を取得され、78歳になられた今も現役バリバリで御活躍中です。
これらの経歴や名刺に並ぶ「工学博士」「技術士」「腐食防食専門士」という肩書、また、お仕事の内容をご説明下さった取材の際はいかにも「学者さん」という雰囲気でしたが、取材後、電話で取引先に的確に指示を出されている姿はベテラン職人さんでした。


ご覧の通り、案内して頂いた事務所や書庫には専門書やサンプルが所狭しと並び、『防食と防汚の両立を目指して』『モデルコンデンサ』『復水器 理論と実際』などご自身で書かれた書籍も多数あります。
「我々の仕事は過去のデータを引き出すところから始まるから、過去の資料が無いと仕事にならない。」と仰る一方、「知識だけでなく経験が必要。若い人たちには技術の伝承が出来ていない。」とも。まさに学者さんと職人さんの両方の要素が必要なようですが、「衛生・化学・腐食防食・環境工学に関する技術調査・コンサルタント」とは具体的にどんなことをされているのか、簡単にご紹介致します。









発電所や石油工場、化学工場などは熱交換器チューブに海水を流して冷却しています。チューブといってもゴムのようなものではなく、左の写真のように海水に強い銅合金で出来ているのですが、たとえば堺港の火力発電所では1秒間に80トン、一般的な原子力発電所では120トンもの海水が流れているので、使用するうちにどうしても腐食が起こったり、フジツボなど海洋生物がついてしまったりして海水が漏れてしまうことがあります。 
「原子力発電所で海水が漏れて発電所が停止した」というニュースを耳にされた方も多いと思いますが、まさにそういった海水漏れの原因を調査、究明し、再発防止策を提案するのが関西テクノカンパニーさんのお仕事です。


「腐食を防ぐためにこんなことをされてはどうですか?」という技術説明や提案を行う営業活動もされていますが、なかなかすぐ仕事に結びつくものではないそうです。
海外ではメーカーは納品したら仕事は終わりで、あとのトラブルはコンサルが対応する場合が多いそうですが、日本ではまずはメーカーが対応し、メーカーでも手に負えない案件だけが関西テクノカンパニーさんのようなコンサル会社に廻って来るとのこと。
しかも「9割は見たらすぐ原因がわかる。下手なコンサルやったら何回も調査するから売上が上がるけど、僕らは儲からない。」と笑っていらっしゃいましたが、その確かな腕を買われて大手企業からの調査依頼は途絶えません。まるでゴッドハンドを持つ名医のようですね。

腐食には微生物も関与しており、先日はその最新の動向を調査する為、フランスとスイスの研究所に状況をリサーチしに行かれたとか。また、講習会やセミナーなどの依頼も多く、今月も学会で発表予定が何件もあるとのことです。

今回はお忙しい中、取材にご協力頂きありがとうございました。今後も更なるご活躍と、後継者の育成に期待しております。
担当:神崎 / 取材・文:鈴木


株式会社関西テクノカンパニー 様
 堺市南区竹城台3−10−3 
 電話 072−293−0841