代表社員 福田 重実

 フィンテックとは、ファイナンスとテクノロジ−を掛け合わせた造語で、メガバンクやカード会社等の金融機関やその情報子会社・金融系システムインテグレーター・金融・IT分野で活躍するスタートアップなどから生まれた新しい金融サービスを意味します。

国内スタートアップでは、資産管理サービス・金融データのクラウドサービスのマネーフリー・クラウド会計ソフトや資産管理ツールのマネーフォワード・クラウド会計ソフトのフリー・ソーシャルレンディングのmaneo・P2Pレンディングのクラウドバンク・メタップスのSPIKEなどがあります。

2015年現在、大手の金融機関やSIerも市場に参入しており、富士通・三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行等がビジネスコンテストを開催するなどしています。
2016年現在、地方銀行においては、積極的にフィンテックを取り組み始めています。

フィンテックの事例としては、スマートフォンによるカード決済を自動で作成できる家計簿サービスがあります。手書きで家計簿をつけなくても、自動で家計簿をつくることが出来るクラウド家計簿も、フィンテックとして有名なサービスです。 従来、家計簿を付けるためには銀行通帳やレシートとにらめっこをしながら1つ1つ、手書きでつけていかなければならないという手間がありましたが、現在ではクレジットカードのネット明細や電子マネーの利用履歴などを一まとめにし、自動で家計簿を付けてくれる仕組みが出てきました。

『フィンテックが世の中を便利にする』、こんな感じでITを駆使することで金融をより身近なものにしよう…というのが、フィンテックLINEやFacebook経由でお金を送金できるようになったり、指紋認証だけで店頭での支払いができるようになったりと、今後もフィンテック分野の技術革新が行われていけば、世の中がグッと便利になっていくものと思います。それに期待しましょう!

 当事務所が提供していますTKCシステムから次のような報告がありましたので、紹介いたします。
『株式会社TKC(代表取締役社長:角 一幸/本社:栃木県宇都宮市)は、6月より預金・クレジットカード明細からの取引データ収集の自動化を図るサービスを、TKC財務会計システム(FXシリーズ)の機能強化として提供いたします。これは、TKCのデータセンターを利用したクラウドサービス「FinTechサービス」を経由して、インターネットバンキングやクレジットカード、電子マネーなど全国の金融機関の取引明細データを自動収集し、それを当社の財務会計システム(FXシリーズ)に取り込むことで適時・正確な仕訳計上を行えるようにするものです。近年、利便性の高さからクラウド会計などのFinTechサービスの利用が急速に拡大しています。

しかし、企業が同サービスを利用して金融機関の入出金明細やクレジットカードの支払明細などの取引データを会計システムに取り込む場合、データの「取り込み漏れ」や「二重取り込み」、また銀行の口座間取引などによりデータが「重複計上」されてしまうなどの問題が発生する可能性があります。適正な会計処理を実施するためには、これらのデータを正確かつ効率的に把握した上で仕訳を修正するなど、簿記会計に精通した担当者が対応を行う必要があります。そこでTKCでは、取引明細データを会計システムに取り込む際に、
@自動的に差分データのみを取得する
A現金預入・引出取引、銀行の口座間振替取引を自動でチェックする
Bカード利用明細書とカード利用時の未払金計上仕訳をチェック(突合)できる――ことで漏れやダブり、重複計上といった問題を解消します。これにより、TKCの財務会計システムを利用する中堅・中小企業の経理事務の省力化を図るとともに、正確な財務状態を迅速に把握することで企業経営者の意思決定を支援します。TKCでは、FXシリーズの提供を通して、中堅・中小企業における早期決算の実現と企業経営者の意思決定に資するため、TKC会員(税理士・公認会計士等)とともに寄与してまいります。』


上記のように、ご利用いただいていますTKCの自計化システムFXシリーズは6月版でフィンテックに対応したシステムになります。今後、事務所での研修を経て関与先の皆様がこのサービスに対応できるようにして行きたいと思っています。