工藤 敦子

 10月9日、2020年のノーベル平和賞が発表されました。
受賞したのは世界各地で食糧支援を行っている国連機関、WFP (World Food Programme)=世界食糧計画です。
WFPはSDGs【エス・ディー・ジーズ「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称】の一つであるSDG2「飢餓をゼロに」を指針にしており、紛争や自然災害・貧困の現場で、飢えに苦しむ人々へ食糧を届け、「命をつなぐ」活動を続けてきたことが評価されたそうです。

 昨年WFPが支援したのは、全世界で1億3500万人が深刻な飢餓状態にあるうち88カ国・1億人近くの人々。2020年は新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化し、2019年の倍近い2億6500万人が食糧危機に直面するという予測もあるようです。
 さらに世界における2050年問題の一つである食料問題があります。課題は、2050年には人口がほぼ100億人になるという世界の人々が、健康に暮らせる十分な量の食料を供給することは可能なのかということです。

 持続可能で低コストのタンパク源として昆虫食が提唱されていますが、虫を食べるという行為はなかなか受け入れにくいなと思っていたら、そのまま人が食べるのではなく、魚や鶏などの飼料としての昆虫の活用で、間接的な昆虫食ということだそうです。また、ワカメやコンブと同じ藻の仲間であるユーグレナ(ミドリムシ)は、野菜・肉・魚の全ての栄養素をとることができるので、食料問題解決の可能性を秘めているという意見もあります。
 そして、わが国日本では食料自給率の低さ食品ロスの問題があります。
 私は子供の頃、母に「お米には7人の神様が宿っている」とか「ご飯を残すと目がつぶれる」と言われたせいか、お米を一粒残さずきれいに食べます。以前は農薬が気になり、お弁当に入れたウサギにみせたリンゴの皮を子供達には残すよう言ったりしていましたが、皮に栄養があるし、なにより手間が省けるので最近は野菜の皮もタワシで洗うだけで剥かなくなりました。賞味期限もあまり気にしません。ただ買いすぎて野菜が傷んで廃棄してしまう時があるので反省しています。

 3月末、新型コロナウイルスの影響で、米やパン・乾麺・インスタント食品や冷凍食品・缶詰などの食料品の買い占めが起こりました。そうかと思えばその翌月の4月、感染拡大による緊急事態宣言のもと学校の休校・飲食店の休業・外出自粛・イベントのキャンセルにより、乳製品や生鮮食品の在庫が積み上がったという報道がありました。
 偶然商店街の露店で野菜やローストビーフをみかけて購入したことがあったのですが、それも在庫の一部だったのでしょう。
 このような飽食の日本における食品ロスの問題の裏で、貧困や孤食の子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所としての子ども食堂の存在があります。
子ども食堂は地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供する、民間発の取り組みです。

私は食べるのが好きですし、おいしいものを食べると幸せを感じます。
世界中が幸せであふれる未来がきますように…

Go To Eat キャンペーンが始まりました。
登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券の購入やオンライン飲食予約の利用によるポイント付与があります。
外食の際には、食べられる分だけ注文して、料理を美味しく食べ切りたいと思います。