花谷 隆之

 2019年は日本にとって新天皇の即位やG20開催、ラグビーワールドカップ等、大変盛り上がりましたが、気付けば肌寒い季節となり、早いものでもう年末に近付いてきました。
これから年越しまでの約1カ月、イベントが多くあります。イベントではお金のやりとりが頻繁になってきますので、これからのイベントに関する税務をまとめてみました。

1.クリスマスプレゼント
税務上の観点からは贈与という事になります。
しかし、社交上必要と認められる祝物にあたり、社会通念上相当と認められるものについては、贈与税が課税されないことになっています。
ここでいう「社会通念上相当」と認められるものについては、明確な基準はありませんが、一般的なクリスマスプレゼントとあまりに乖離した金額のプレゼントには贈与税が課税される恐れがあります。(土地や建物など)
あまりにもキュートなご子息・恋人等であっても、度の過ぎた大盤振る舞いにはお気を付け下さいませ!

2.年末ジャンボ宝くじの当選金
非課税となります。
ただし、宝くじの当選金を複数人で分ける場合に、特定の一人が当選金を受け取り、他の人に分配した場合には、分配を受けた人に対して贈与税が課税されるので注意が必要です。(当選金を分配人全員の名義で受け取ると課税されません。)
因みに今年の発売日は11月20日(水)です。年明けに今一度この文章を再確認していることを夢見て、私も大阪駅前第4ビル特設会場で並ぼうと思います!

3.忘年会の会社負担費用
@社員の福利厚生としての忘年会費用
 イ.全社員を対象としていること。
 ロ.会社の費用負担が一律であること。
 ハ.会社が負担する金額が社会通念上高額にならないこと。
上記の要件を満たせば、当該費用は福利厚生費として損金算入が認められます。
A取引先の接待を目的とした忘年会費用
税務上交際費として取り扱われ、全部または一部が損金算入されます。(大会社や既に限度額を超えている場合を除く)
B特定の者のみが参加する忘年会費用
参加者の給与(賞与)に該当することになります。この参加者の中に役員が含まれている場合は役員賞与になり、その全額が損金不算入となるので注意が必要です。

4.有馬記念の当選金
「一時所得」もしくは「雑所得」として所得税が課税されます。
 基本的には「一時所得」として所得は下記の算式で計算されます。
(年間の当選金額−年間の当選馬券の購入金額−50万円)
 競馬ファンの間で記憶に新しい2017年12月15日の最高裁で「外れ馬券も経費となる」という判決がありました。この場合が「雑所得」となるケースです。しかし、このケースは一般的の競馬愛好家に当てはまることはほとんど無いとお考え下さい。

いかがでしたか?これからの師走というご多用な中で少しでもお役に立てていただければ幸いです。