主題は9月11日に開催された職業会計人の集まり「TKC全国会」南近畿会・秋季大学の講演題名です。

講師は越智直正氏(70歳)タビオ渇長、悪ガキだったため、父親から高校へは行かせてもらえず、大阪の靴下問屋へ就職「靴下業界の革命児」と呼ばれ、靴下一色の人生、年商150億円超・大証2部上場企業です。中学卒であり苦労されたはずですが、「トップは大きな夢と誇りを心に持つのが経営者である」だから、御自身は靴下一筋に世界一を目指し、ロマンを語る素晴らしいセールスマン、タビオの靴下を買おうと思う気持ちになりました。

 一番インパクトを受けたのは「中小企業に不況などない」と強調された点です。各業界において売上比率は多くないのだから、工夫と努力で売上向上を求めよ、売りたい商品の開発と、売れる研究を真剣に努力しているのかと問われました。

 越智会長は靴下に命をかけ、靴下を知り尽くして経営合理化に取り組み、サプライチエーンを有効に活用するITシステムを構築されておられます。 コンピュータを利用するに際し、東芝の担当者からソフトを買えと言われ、ソフトクリームと勘違いし、近くのお店に売っているではないかと会話を面白おかしく語られた。

 私もウイルスがパソコンのどこに住んでいるのだろうかと不思議で、やむなくハウツー物のパソコン小説を100冊ほど読み、14年前IT専門家に便乗してアメリカ・アトランタで開催された国際マネージメントサービス協会の会議に出席したことがあり、パソコンと云う鉄砲の威力をつぶさに見聞しました。

 信長が武田軍団に長篠の合戦で勝利したのは鉄砲を工夫・活用したからであり、現代はパソコンを100人の秘書の如く、全員が利用するシステムをどう構築するかが課題です。

 越智会長の人となりをネットで調べると、骨のある雑誌「致智」にも紹介されているように、一流の人物だとの評価を受けていることを理解しました。

 中学卒業時に恩師から、「難しいだろうが、古典を読め」と云われ、古本屋で“孫子(兵法書)”を買い求め辞書を引きながら、周囲の従業員が寝た後、毎日1時間は勉強し、3年で全文を暗記されたという。講話の中に“老子・孔子”などの中国古典を学ばれ、経営上の問題解決の拠り所とされていることを感じながら拝聴しました。

 お話の後、講師接待担当だったので、控室にて讃岐(香川)で育ったとお話ししたところ、“海南行”細川頼之「人生五十巧無きを愧ず、花木春過ぎて夏已に中ばなり。満室の蒼蠅掃えども去り難し、起って禅榻を尋ねて清風に臥せん。」という漢詩を達筆で即座に一筆箋に記入され頂戴しました。これは南北朝時代の讃岐出身の武将の辞世の漢詩のようです。

 時にはセミナーのご案内を差し上げますので、話を聞き、明日への心の支えとして、厳しい経営環境に対応されますよう陰ながらお祈りしています。