代表社員 植村 祐三

 ホームホスピスについては8月号に若干触れましたが、我が国で最近紹介されたアトゥール・ガワンデ著"死すべき定め"の原書は「ニューヨーク・タイムズ」等で絶賛され、全米で75万部発売のベストセラーであり、人生100歳時代を迎える時代に大変参考になる点が多々あるので、内容は紙幅の関係上記述出来ませんが一読をお勧めします。
 
 アメリカの介護施設も入居者の自由がない点を補うためにホームホスピスへと進んでいるようであり、我々は豊かに生きることで精一杯で、豊かに死ぬために必要なことを本書はノンフィクション・具体的に教えてくれる内容でした。
 
 9月に2か所のホームホスピスを見学して来た内容をご紹介します。1か所は大和郡山市にある奈良県初の"ホームホスピスみぎわ"経営者の桜井徳重さんはケアマネージャーの経験を基に、緑豊かな町中のごく普通の民家を6室(6畳程度)に改造して、私が訪問した時はちょうど昼食時であり、ごく普通の家庭と同じような雰囲気でした。1住宅当たり、6人程度が全員の面倒を見るには最適規模のようです。
 
 もう一か所は、兵庫県兵庫区にある"NPO神戸なごみの家・中津庵"という処で、これもごく普通の民家を改造した個室であり、和やかな雰囲気が漂っておりました。
 既に7年を経過しており、理事長の松本京子さんが長年の病院の介護経験を基に、著書"ホームホスピス「神戸なごみの家」の7年―「看取りの家」から「とも暮らしの家」にー"を一読しましたが、体験談を語られたので実態がよく理解できた。

このホームホスピスをソーシャルビジネスとして取り組むには大変な介護関係の知識と体験と多職種連帯が必要であり、これがスムーズに行われることが前提のようです。
 このホームホスピスという時代の要請にいち早く積極的に取り組まれる姿に敬意を表し、丁寧な説明を受けながら"中津庵"を後にしました。

ホームホスピスの意味・内容→
*意味→在宅ホスピスケアをする診療所・通所サービスを提供する場などで用いられるが、公的な定義はまだない。

*入居者・家族・スタッフ・地域住民を巻込んだ、家族のような小共同体である。

*終末期老人が暮らす民間のケア付共同住宅、モデル九州・宮崎"かあさんの家"がある。

*認知症等で入居している従来型介護施設と異なり、死期が近づいても病院へ搬送されず、アットホーム(家族)のように、最後まで面倒を見る。

*自宅では住みにくく、病院・施設にも入りたくない方の生活の場 
*ホスピス病棟と違い、空き家等を改装して自宅に近い環境で過ごすことが出来る場

*ガン・認知症等の人が5〜7名程度が個室に住む共同生活をする場

*介護料金を含め15〜18万円程度と比較的安価な費用である。

*介護職・医師・訪問看護師など多職種が連携して24時間体制で見守る民間が経営する在宅介護の一形態で、国家制度の枠外で柔軟なケアを実施している。