いよいよ冬将軍の到来、私の居宅は奈良市“都祁の里”にあり、標高約500メートル、紅葉もすっかり丸裸になりました。

現在経済は世界恐慌突入前夜を思わすような状況だと認識していますが、漁火会の中村会長が「サブプライムローン」について、住宅会社経営者の目で噛み砕いて、漁火新聞2008年11月号で述べている内容を斟酌し、考えてみたいと思います。

「サブプライムローン」とは、住宅ローンのうち、審査基準に通らない信用度が低い人向けローンのことである。本質的に高いリスクを内包するサブプライムローンを分割することで他の安全な証券を組み合わせればリスクを制御・抑制できると考えられていた。

このローン債券を他の債権と混合して証券化し、格付会社がアメリカ国債と同格の「トリプルA」として世界へ販売した。このサブプライムローンは危険度を分散させるため、貸付債権として証券化し、分割することで複数の金融商品の構成要素の一つに細切れに組み入れ、高利率の返済利息に裏付けられた高利率を期待できる貸付債権だった。

サブプライムローン等の金融派生商品を売買している会社が世界中どれだけあるか不明という最悪の状況下にあり、アメリカでは住宅価格より多く融資していたらしく、住宅購入の余りを自動車等の消費に流用し生活をする。低所得者・定職もない層、銀行口座もない人にローン斡旋業者が銀行の代行をして書類を作り、客を探し手数料を稼ぐ、銀行は知りつつ貸付けるのが実態であり、是が支払い不能として不良債権化した。

このサブプライム問題に端を発し、世界中で株価の急落や信用市場の混乱、公定歩合の緊急引き下げ、幾層にもの証券化を通じて住宅ローン債権の本来リスク特性が見えなくなっていた中で、市場参加者の多くがパニック的に極端な回避行動に出たといえよう。

リーマン・ブラザーズ破綻、AIG保険の公的投入など、2008年9月にアメリカ金融危機が発生し世界へと波及し、現在、金融業界の大編成が進行中である。

ブッシュ政権は全力を挙げ対処し、7,500億ドルの枠で公的資金を導入すると公言しても、現在もニューヨーク株式は下げ止まっていない。リーマン・ブラザーズがいくらの不良債権があるのか計算できない状態だから、政府は保証しなかった。今回の倒産劇が金融危機を端的に象徴しているといえよう。

金融工学は本来、実物経済を壊さないため信用創造のリスクヘッジをするための技術であるが、実体経済で額に汗をして働く人々が稼ぎ出したお金を金融工学という技術を悪用してかき集め、金を生むシステムを構築し、これで荒稼ぎし、新たなる金を生みだすことに腐心し、住宅ローン会社の債券を元手に別の投資会社が、またそれを元手に別の金融会社が運用していたのがアメリカの実態である。

新聞資料によれば、金融工学の権威・ノーベル経済学賞受賞のロバート・マートン教授は世界の5,000兆円の富が失われる可能性があると述べる。