映画「不撓不屈」は税理士 飯塚 毅先生の半生記を描いた、高杉良著「不撓不屈」(新潮社)を原作として映画化され、6月下旬に全国一斎ロードショーの予定です。

 監督森川時久、撮影長沼六男、主人公飯塚毅を滝田 栄、妻を松坂慶子(大ファン)が演じ、租税正義を求め、国家権力に正面から対峙し、国家から法廷闘争を挑まれたが果敢に戦った当事者の実名入りの実話である。

 国税庁当局は述べ5,000名を動員、本人及び家族の尾行、職員約70名の身辺に調査が及び、また、関与先400社に対し、職権を乱用し、卑劣な手段で飯塚事務所を葬ってしまおうと集団解約の謀略により、関与先の徹底的な調査を行った。

公僕という仮面を被った高級官吏・国税庁幹部会議において、「叩けばほこりが出る、やってしまえ」という決定により、一介の税理士事務所の抹殺を図り、犯罪の証拠もなく、単なる予断によって、空前絶後の大調査を実施した点において、飯塚事件は我が国、税務行政史上稀有な事件となった。

私はこの法廷闘争の仔細を今から35年前、高田茂登雄著・“税務署への告発状”三一書房、を通して、実名にもとづくドラマを読み、国家権力の恐ろしさに戦慄を覚えた。

 この事件は昭和38年に発生し、会計事務所員4名も投獄されたが、昭和45年に判決があり、国の完全敗訴、当時の国税庁長官は退任に追い込まれた。時の大蔵大臣は田中角栄、舞台となった関東信越国税局長は鳩山威一郎だった。

 ご存知の方も多いと思いますが、伊丹十三監督・映画“マルサの女”に登場する胡散臭い税理士・小沢栄太郎の姿に言われなき淋しさを感じました。

私の事務所開業20周年に際し飯塚先生に一文を差し上げたところ、丁重な速達でのお祝いの言葉をいただいた礼状は、一生の宝物です。

伝教大師の有名な一文「山家学生式」の中に、国宝とは何ぞや!仏像・金銀財宝、これ国宝にあらず、一隅を照らす人、正論を吐き、実行する人これを国宝という、と有ります。

飯塚先生は諸外国の税法にも見識を持たれ、実務に精通した税理士であり、正に国宝に値する人物で有ると確信しております。昭和46年に「TKC全国会」という職業会計人の組織を結成され、平成16年11月86才で永眠。ご冥福をお祈りするばかりです。

我々にとっては税理士会・中興の祖と言っても過言ではなく、“自利とは利他をいう”という経営理念に共感を覚え、私も昭和53年からTKC会計ソフトを活用しており、税理士の社会的地位の向上に大きな功績があったと考えます。

 ご興味がある方(注:関与先顧問先に限ります)は、上映のチケットを進呈いたしますから、お申し出下されば贈呈させていただきます。是非一度、映画を見ていただきたいものです。